Day: March 29, 2023

脆弱性診断とは? 必要性や進め方などを徹底解説

アメリカのセキュリティ企業、パロアルトネットワークスの調査によれば、サイバーセキュリティ攻撃の原因で2番目に多かったのが「脆弱性」でした。サイバーセキュリティの脅威は常に進化しており、企業は先手を打つことが不可欠です。 自社のサイバーセキュリティを最新の状態に保つための効果的な方法が、脆弱性診断の実施です。脆弱性診断とは、システムやネットワークの弱点を特定し、高いレベルのセキュリティを維持するプロセスのこと。本記事では、脆弱性診断の特徴や必要な理由、ペネトレーションテストとの違い、診断の流れなどを解説します。 そもそも脆弱性とは? サイバーセキュリティの世界では、脆弱性はコンピュータシステムやネットワークの弱点を指します。シノプシス サイバーセキュリティ・リサーチセンターの調査によれば、4,400件のテストのうち95%に脆弱性が発見されました。 ハッカーは脆弱性を利用して企業の機密情報を盗み取り、ダークウェブ上で他の犯罪者に機密情報を販売するリスクがあります。なお脆弱性は、ソフトウェアやハードウェア、あるいは人間の行動にまで存在する可能性があり、悪用される前に特定し、対処することが組織にとってとても重要です。 脆弱性診断が必要な理由 脆弱性診断とは、システムやアプリケーションなどのセキュリティ上の弱点を特定し、評価するプロセスです。脆弱性評価が必要な理由の1つは、常にサイバー攻撃が高度化しており、新たな脆弱性が続々と発見されるためです。 サイバー犯罪者は脆弱性を利用して、システムへの不正アクセスや機密情報の窃取、マルウェアやその他の悪意のあるソフトウェアのインストールなどを行います。盗まれた機密情報は、ダークウェブ上で他のサイバー犯罪者に販売され、個人情報の盗難や金融詐欺など、さまざまな違法行為に使用されるリスクがあるのです。 脆弱性はサイバー犯罪者が機密データにアクセスして盗み出すための経路となり、そのデータはダークウェブで売買されます。このような攻撃を防ぎ、機密データを悪用されないようにするためには、企業がシステムの脆弱性を積極的に特定し、適切な対処を施すことが欠かせません。 脆弱性評価によって、企業は潜在的な脅威を把握し、脆弱性が悪用される前に対処できるようになるわけです。 ペネトレーションテストとの違い ペネトレーションテストとは、システムまたはネットワークに対する模擬攻撃をして、セキュリティ対策の有効性をテストし、攻撃者に悪用される可能性のある脆弱性を特定する手法です。ペネトレーションテストの目的は、現実世界の攻撃者が使用する戦術や技術、手順を再現し、組織のセキュリティ上の弱点やギャップを特定することです。 脆弱性評価とペネトレーションテストは、どちらも潜在的なセキュリティ上の弱点を特定する点では同じですが、脆弱性評価がより受動的なアプローチであるのに対し、ペネトレーションテストはより能動的なアプローチという違いがあります。 脆弱性診断の主な評価対象 脆弱性診断の対象としてよく知られているのは、Webアプリケーション、プラットフォーム、ネイティブアプリ、IoTの4つです。ここからは、各評価対象の特徴と脆弱性診断が重要である理由について説明します。 ウェブアプリケーション ウェブアプリケーションは、広く利用されており、ネットワークへの容易な侵入口となるため、攻撃者に狙われることが多いです。Webアプリケーションの脆弱性評価をすれば、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)、その他のコードインジェクション攻撃などの脆弱性を特定できます。また、ウェブアプリケーションへの攻撃リスクを高める設定ミスやその他の問題の発見も可能です。 プラットフォーム プラットフォームの脆弱性評価は、ウェブアプリケーションをサポートする基礎的なコンポーネントの脆弱性を特定するのに役立ちます。例えば、Webサーバーの脆弱性評価では、サーバーを攻撃されやすい状態にしている古いソフトウェアや設定の特定が可能です。 ネイティブアプリ ネイティブアプリとは、AndroidやiOSなどの特定のオペレーティングシステム上で動作するように設計されたアプリケーションです。これらのアプリはデバイスに直接インストールされ、カメラやマイク、位置情報サービスなどのデバイス機能にアクセスできます。 ネイティブアプリの脆弱性評価は、安全性の低いデータ保存や不十分な暗号化、認証の問題などの脆弱性の特定に役立ちます。 IoT IoTとは、インターネットに接続され、相互に通信可能な物理的なデバイスや自動車、家電製品などを指します。IoT機器の脆弱性評価は、脆弱なパスワードや暗号化されていない通信経路、安全でないファームウェアなどの脆弱性を特定するのに役立ちます。また、IoT機器の管理・制御に使用されるモバイルアプリやウェブポータルの脆弱性も発見することができます。

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